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なんとか島に辿り着いた一行は、晴れていたらさぞかし綺麗であろう砂浜に足跡をつける。
雨が降ってもいいように、雨避けになる場所を探して歩いた。
運転手は、船を近くにあった太い木に結ぶからと言い、砂浜に残った。
それにしても、ここは無人島ではないかというほど未開拓で、砂浜を端まで歩くとそこからはジャングルと表現できる様な森が広がっていた。
だが、砂浜を離れる前に運転手が言った一言が五人を歩かせていた。
「ここから砂浜を東に行って、突き当たったら北に森を抜けるとホテルがあります。
そこでどうかお待ち頂けますか?」
運転手はこの島へ何度か来た事があるらしく、地理に詳しい様な口ぶりだった。
五人が道なき道をしばらく歩き続けると、大きな建物が目に入った。
本当にこんな所にホテルがあるとは…。
五人はしばらくの間、寂れた雰囲気のホテルを眺めていた。
ぽつぽつと降り始めた雨に二人の男性客がホテルへ向かって走り始めた。
それについていく様な形で優と菜摘と、女性客は足早にホテルへ向かった。
とりあえず雨宿りをさせてもらおう――
五人の考える事は同じだった。
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