第1話

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窓を開ける。 冬景色が窓から広がっている。まだまだ寒くなるような事を昨夜のニュースで聞いた。 寒い空気が部屋に入るのを嫌い、僕は窓を閉めた。窓ガラスが暖房の熱気で曇っていくのが分かる。 僕は曇った窓に指で「20」という数字を書いた。理由は自分でも分からないのだが、その時は20歳頃の僕を懐かしんでの事だろう。 恋もした。友達もいっぱいいた。仕事もしていた。苦悩もしたが、今思えば充実していた。 僕はコーヒーを入れ、懐かしむように当時を思い出していた。 僕の名前はタカシ。今年で30歳になろうとしている。 ▼優理▼さんヨロシク!
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