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木造建築のバーはハイテク時代の現代では珍しくレトロな空気が漂っていた。
店内の天井にはプロペラが回転していて、店内の片隅に置かれたミュージックボックスからは20世紀に流行していたカントリーミュージックが流れ、よりいっそうレトロな空間を引き立てている。
ピーター、マイク、レイチェルはカウンター席に座った。
「マスター、いつものやつを3つ頼むわ。」
そういうと、バーテンは直ぐに二種類の酒を混ぜ合わせてカクテルを作り三人の前に並べた。
「さぁ、飲め飲め~!俺のおごりだからよ。」
マイクはそう言い酒を勧めた。
ピーターとレイチェルはそれを一口飲む。
!!?
もの凄く強いアルコール度数だ…
口の中に入ると顔が火照り、飲み込むと喉、食道、胃に流れるのがはっきりと分かる。
「なんだこの酒!!?キツイな……。こんなのいつも飲んでんのか?」
「そうだぜ。うまいだろ?」
相当キツイ度数もなんのそのといった様子で一気に飲み干す。
「明日には任務がある事を忘れるなよマイク。」
「こんなんじゃ全然酔えないって…!」
そう言ってマスターにもう一杯カクテルを頼んだ。
かなりのハイペースでマイクは次々とカクテルを注文し飲み干していく。
「そろそろ止めといた方がいいわよマイク。」
レイチェルはマイクに止めるように諭しカクテルの入ったマイクのグラスを自分の手元の方に引き寄せた。
しかしマイクはレイチェルが没収したグラスをレイチェルが目を離した隙に自分の方に引き寄せカクテルを飲みながらかなり酔いが回った様子で話出した。
「しかしよ~、昼間のロシア人は嫌な奴だったな~あんな奴等と組む事になるなんて任務とはいえ…」
「そうだな~確かに俺達を目の敵にしてる言い方だったな。」
「今度あんな口ききやがったらロシア野郎をぶっ殺してやらぁ!」
マイクは手に持ったグラスを頭上に掲げて大声を出して言った。
「そこまでだマイク。そんな事言ったってしょうがないだろ。仲良くやるように心がけようぜ。」
マイクの愚痴を遮るようにピーターは言った。
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