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それから一月が経った…
「やはり実験を中止すべきです!」
「いや、まだ中止は出来ない。この研究は完璧なんだ。おそらくただの通信回線のトラブルだろう。2、3日経てば直るはずた!」
オフィスでヒステリック気味なホーエン博士と美紀<ミキ>は揉めていた。
「私もそう思っていました。しかし、交信が途絶えてから一週間ですよ!何かあったとしか思えません!」
「大丈夫だよMs.中田。心配はいらない。」
いきなり冷静な口調で言った。ホーエン博士はどこか情緒不安定な様子だった。
「仕方ありません…」
美紀は右手をポケットに入れる。そして白衣のポケットに忍ばせていたリモコンのスイッチを押した。
ガチャ…
オフィスのドアが開き、スーツを着た男が三人入って来た。
「お前達はだれだ!ここで何をしている!Ms.中田!私を裏切ったのか!?」
驚きと怒りで顔は真っ赤になっていた。
「これしか、博士を止める術がなかった…」
美紀は顔を博士から背ける。尊敬していた恩師。その彼を実験を中止するためとはいえ裏切ってしまったのだから彼女は少なからず心を痛めていた。
「私達は合衆国大統領の命によりやってきました。ホーエン博士、あなたが持っている研究室の全権を停止し、直ちに研究を中止します。そして、あなたは私達と共にホワイトハウスまで来てもらいます。」
ホーエン博士は両腕を捕まれる。必死に抵抗するが屈強な男に文化系の老人が力で勝てるはずはなかった。
「な、何を言っている…この研究を中止するだとふざけるな!!放せ!」
二人の男により博士は連れていかれる。オフィスには美紀とスーツを着た金髪の男の二人だけになった。
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