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飛び降り自殺騒動の次の日、駅の中の売店に並ぶ朝刊には心無い文字が踊っていた。
“同時に2件の自殺!心中か”
“高校生同士の自殺!男に裏切られた女の悲劇”
そのうちの1社の記事には、昨日の達也と祐司の安全柵の外でのやり取りの写真が写っていた。
“恋愛のもつれ?自殺ではなく殺人か”
達也が祐司を殺そうとしていた、という旨の記事が書いてあった。確かに、何も知らない人が見たならば勘違いする余地は十分ある写真と、それを説明する記者の字面。
警察に事情聴取を受けたことまで書いてあり、さながら女性週刊誌に載っている、芸能人のスキャンダル特集のようだった。
達也は小さく舌を打ち、その場を後にする。
ただでさえ、昨日は幻聴を聞いた。いや、幻聴だけではなく、幻すら見たような気がする。友人の死に逝く様を見て、気が動転していたのかもしれないけれど。
あの時、友香と満里奈は急いで階段を駆け下り、祐司に駆け寄った。救急車を呼ぼうとも、全員の携帯がなぜか圏外。
満里奈が自宅へと電話を掛けに行ったのを見届けた後、祐司に視線を戻すと、腹部の割けた血まみれの女が横たわる祐司を笑顔で見下ろしていた。
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