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友香は、携帯から目が離せなくなっていた。
『祐司……くん』
ぽつりと吐き出した一言さえも、そこに付加された重みはない。しかし、かえってそれが、友香の見た写真が本人のものであると物語っていた。
『結構ぐちゃぐちゃですよね。階段から落ちて、学校の屋上…つまり4階から落ちただけじゃ、こうなりません』
詠美はどこまでも淡白であった。普通は、自分の彼氏が死んだのだからもっと取り乱すはずなのだが、そんな様子は全くと言っていいほど見せない。友香のほうが、よほど彼女に見えると、達也は内心毒づいた。
あまりにショックな映像だったのだろう。友香はへなへなとその場に座り込み、放心状態になった。
『友香!』
『…普通の女子高生には、少し刺激が強かったですかね。………でも、いいです。』
何がいいんだ、その問いに詠美はニッコリと微笑んだ。
『達也さんと、2人だけでお話ができます』
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