第一章

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音の出所を探そうと顔を上げた瞬間、その音が雪を踏みしめる足音だとわかった。 私は手にしていた食器を箱に戻し、窓に近づく。 取り付けたばかりのカーテンを開け、外の様子を伺った。 窓の外に見えるのは、風に舞う大粒の雪と、真っ白に染まった大きな木。 視線を巡らせてみても、人の影はどこにもなかった。音はまだ続いている。 不思議に思い窓を開けようと鍵に手を伸ばすと、その音は突然止まった。
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