第一章

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突然後ろから名を呼ばれ、私は肩を震わせる。 振り向くと、直樹が部屋に入ってくる所だった。 「どうした? そんな驚いた顔して」 直樹は私の顔を見ると、不思議そうに首を傾ける。 「う……ん」 さっきの足音の事を言いかけたが、なんとなく口にするのをためらった。 「あれ、真樹は?」 入り口に立つ直樹の側に、真樹の姿が見えない。 直樹は、二階を指差すと手を重ね合わせ頬に添えた。
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