第一章
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その家を見た瞬間、私の頭に過ったのは不安という文字だった。 何のへんてつもない家。 真っ白な外壁に大きな窓と、赤いドア。 昨日降った雪が、広い庭を埋め尽くしていた。 あれは何の木だろうか。 庭の端に一本、大きな木がそそり立っていた。 太い幹には雪が降り積もり、まるで雪の花を付けているように見えた。 「ママっ、早くおいでよ。真樹、先に行っちゃうよ」
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