※噂※

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俺達二人は時が止まった様に身動きが出来なくなった。 「『ハァッ??!!』」 二人同時にそう叫ぶと目の前の三人は少し驚いた顔を見せた。 「…違うんですか?」 躊躇いがちに言う女の子に俺と海樹は首を縦に下ろした。 「違う!!違う!!」 『付き合ってないから!』 「そう、なんですか?」 必死になって誤解を解こうとする俺達に彼女達は少し疑いの目を向けた。 「あの私達、偏見なんてしてないですから。」 1人の女の子がそう言いのけた 「ハァッ?」 『えっ?』 俺達はその言葉の意味が分からなかった。 「偏見なんてしてません。むしろ私達は。」 「「二人を応援してるんです!!」」 「ハァッ?」 『……。』 その爆弾発言に俺は言葉を失った。そして、今日はなんだか驚かせされてばかりな気がする。 「応援?」 「はい。」 『どう言う意味?』 「私達、二人大好きなんです」 「あっ!大好きってそう言う意味じゃなくて、憧れって感じのです。」 「それで、二人が付き合ってるって言う噂を聞いて凄く嬉しくて。」 「嬉しい?」 「はい。二人っていつも一緒じゃないですか?私達、いつも一緒に居る二人が好きだったんです。」 『……。』 「男の友情よりも深い感じがして…。」 「誰にも邪魔できない雰囲気があるんです、二人には。」 「それで二人があんなに仲がいいのは付き合ってるからなのかなぁと思ったんですけど…。」 答えを待つような言葉に海樹は答えた。 「俺と悠哉の仲を褒めてくれんのは嬉しいけど、仲が良いのは幼馴染みってだけで付き合ってるとかじゃないんだ本当に。」 海樹がそう言うと彼女達は俺の顔を見た。 『本当だって。俺と海樹は付き合ってなんてないから。』 「そう、なんですか…。」 『…あっ、でもありがとな!俺達の事褒めてくれて!!』 俺は今、ちゃんと笑えているだろうか? .
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