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「海君、好きです!付き合って下さい。」
今時の女の子が今まさに告白をしている。
「あ゙ぁ~、悪い。」
「…好きな人でもいるんですか?」
「いや、今はただ彼女つくる気ないんだ。ごめん。」
「そう、ですか。」
彼女はそれだけ言うて帰っていった。
「ハァッ。」
海樹は一つ溜め息をついた。
『今の子可愛かったのに勿体ねぇ。』
「そうだな。」
『……。』
【やっぱ女の方が好きなんだよなぁ、海樹。…つうか皆して俺が隣にいるのに告白なんてするなよな!】
そんな時遠くから海樹の名前を呼ぶ声がし、振り返ると海樹の姉・玲来(レイラ)が走ってきた。 玲来は海樹の血の繋がらない姉弟でこの大学の講師なのだ。悠哉は一瞬ツラそうな顔をしたがいつもの顔へと戻していた。
「姉貴、どうかしたか?」
「今日、早く終わるから何処か食べに行かないかと思って。」
「あぁ。じゃ~、待ってっから。」
「分かった。」
「悠哉も一緒な。姉貴もいいだろ?」
「うっ、うん。勿論いいわよ」
玲来が少し困った顔をしたのを悠哉は見逃さなかった。二人がツラそうな顔をしているなんて海樹は思ってもみないだろう。実はこの二人恋のライバルなのだ。
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