越前進攻

3/10
前へ
/280ページ
次へ
そこに信長があらわれた。 「この度の、長政殿の働き誠にあっぱれ!」 「このような素晴らしい義弟がいる信長は、果報者じゃ。」 「すぐにでも義弟の功にむくいたいが、越前攻めが終わり次第になる……許せ。」 長政は、 「はっ!」 と、短く応え言葉をつづける。 「越前攻めも、義兄上にお供したいのですが、父に従った者達も含め、今一度、家中を固める為小谷に戻らねばなりません。申し訳ございません。」 と頭を下げる。 信長は、一瞬考えていたが、 「義弟が江北を固めてくれるなら、背後を気にせずに済む。」 と、笑顔で応え、 「頼んだぞ!」 と、言って頷いた。 長政は、その言葉を貰うと、 「でわ、御武運を!」 「ご帰還の際は、是非小谷によってください。」 「市も、義兄上のお顔を拝見したいと思いますし、戦勝の祝宴をご用意しておきます。」 と言い、本陣を後にした。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2124人が本棚に入れています
本棚に追加