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そこに信長があらわれた。
「この度の、長政殿の働き誠にあっぱれ!」
「このような素晴らしい義弟がいる信長は、果報者じゃ。」
「すぐにでも義弟の功にむくいたいが、越前攻めが終わり次第になる……許せ。」
長政は、
「はっ!」
と、短く応え言葉をつづける。
「越前攻めも、義兄上にお供したいのですが、父に従った者達も含め、今一度、家中を固める為小谷に戻らねばなりません。申し訳ございません。」
と頭を下げる。
信長は、一瞬考えていたが、
「義弟が江北を固めてくれるなら、背後を気にせずに済む。」
と、笑顔で応え、
「頼んだぞ!」
と、言って頷いた。
長政は、その言葉を貰うと、
「でわ、御武運を!」
「ご帰還の際は、是非小谷によってください。」
「市も、義兄上のお顔を拝見したいと思いますし、戦勝の祝宴をご用意しておきます。」
と言い、本陣を後にした。
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