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朝目覚めると枕元に綺麗にラッピングされた箱が置いてあった。
ハジメは手にとって、ぼんやりと呟く。
「……サンタクロース?」
「違いまーす! ハッピーバレンタイン!」
ノックもなしにいきなり部屋に入ってきたのはハジメの姉のヤスミだった。
しかも、朝っぱらからかなりハイテンションだった。
「あー……チョコ?」
「ノンノン」
ヤスミは外人よろしくチッチッチと指を振る。
「愛です。キャッ言っちゃった! 恥ずかしい!」
騒がしい姉は、さんざん騒いで騒がしく部屋を出ていった。
と思ったら再び顔を覗かせて、そのモデル並に整った顔立ちを最大に活かす角度を自然に作って、ウィンクを飛ばした。
それだけだった。入ってきた時同様勢いよくドアが閉まる。
「……」
起き抜けのハジメはただ呆然としたまま、
再びベッドに伏せた。
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