第二章

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   二度寝という完全遅刻パターンを奇跡的に回避したハジメは、示し合わせたようにサンタと登校していた。  まあ、同じ地域に住んでいるので有り得ない事ではないが。 「こういう日ってさ、男子はどんな顔してればいいのかな」  サンタがそわそわした様子で訊ねてきた。  ハジメは手を顎にあて、しばし考え答える。 「チョコが欲しいオーラを全開にすればいいんじゃないか」 「え、マジで。それ、どんな顔」 「今のお前の顔かな」 「本当に! じゃあ、このままでオッケーじゃん」  ハジメはその可哀想な友人から少し距離をとり、雪道の中を身を縮こまらせながら、足早に学校を目指した。  
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