不機嫌なお姫様

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 驚いた茨姫の目から、ポロポロ涙がこぼれます。  首を傾げてお月様、帽子をパタリと降ろしました。 「何故泣いているのです? 茨姫」 「とてもとても寂しいから」  ワガママ意地っ張りな茨姫。  トゲトゲだらけな茨姫。  だけど本当は寂しくて。  お部屋に来るのは王様お妃様、召し使いに執事だけ。 「誰も、『私』なんて見ていないんだわ」  顔色伺い、愛想笑い。 『かんしゃく玉の茨姫』  誰もがそう言い、指をさす。
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