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悲しげに泣く茨姫に、お月様は優しい笑顔で帽子を振りました。
帽子の中から出てきたのは、小さなお星様。
お月様は、そのお星様を茨姫の手に乗せました。
不思議そうに顔を上げた茨姫の涙を拭きながら、お月様はにっこり笑顔を浮かべます。
「アナタに、ワタシの一番星をプレゼントしましょう」
お星様はキラキラキラキラ。笑いながら茨姫の周りを回りました。
「優しい優しい茨姫。
自分の棘が刺さり痛いとアナタが泣くのなら、その痛みをこの子が受け止めましょう。
自分の棘を誰かに刺してしまって痛いとアナタが泣くのなら、その悲しみすらこの子が受け止めましょう。
だからどうぞ悲しまないで下さい、茨姫。
泣かないで下さい、茨姫。
アナタには笑顔がよく似合います」
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