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優しく笑うお月様に、茨姫は小さく首を振りました。
「気持ちは嬉しいけど、いらないわ。
痛みを他人に預けて自分だけ笑っていられるほど、私は愚かな人間にはなりたくはないもの」
お星様の頭を軽く撫でて、茨姫は言いました。
「自分の痛みは自分だけのモノ。
ねぇ、そうでしょう?」
綺麗な茨姫の目に写るのは、お月様の光。
お月様は、満足げに笑って空気を蹴りました。
「その通り。アナタの痛みはアナタのモノです。
さぁ、賢く優しい茨姫。ならば次はどうするべきか、アナタならきっと分かるはず。
ご機嫌よう、茨姫。
また、いつかの夜にお会いしましょう」
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