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枕元の目覚まし時計を見ると3時50分を表示していた。
「さっきと違う」
時間が進んでいれば現実の可能性があった。しかし、今はあの時より前の時間であった。
「やっぱ、さっきのは夢なのか?」
感覚を感じることの出来る夢。そんなもの聞いたことがない。たかだか意識の中だ。あるわけがない。
「やべ…頭イカれたか、俺?」
そんなわけないだろと翔は思った。
夢だったんだ。現実には何も起きていない。
そうだ。全部夢、夢なんだ。かなりリアルだったが所詮は夢。あんなこと、現実に起こるはずないだろ。
翔はそう自分に言い利かせた。
「馬鹿らしい。何をビビってんだか」
さっきまでの恐怖心はどこかへ行ってしまった。途端に自分が夢に恐怖を抱いていたことが馬鹿らしくなった。
「無駄に疲れた…」
翔は頭をクシャクシャと掻きながらベッドから降り、浴室へ向かった。
着ていたシャツが汗で濡れていて気持ち悪くなり、着替えと汗を流すためだ。
全部洗い流してスッキリさせたかった。
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