15人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「待てっ!! …っまたか」
翔はまた同じ夢に起こされた。
「これで何回目だよ?」
いつまで続くんだ?と翔は思った。
枕元の時計を掴み時間を見た。時計は4時を指していた。因みに寝付いた時刻は0時を回っていた。
「はぁ…。水でも飲むか」
苛々感があったので水でも飲んで落ち着こうと翔は思った。
一息つきベットから出ると流しへ向かった。
逆さまに立てかけられたコップを取り水道の蛇口を捻る。ザーッと水が勢いよく流れ出ていた。
「ふぅ…」
翔はコップを握りしめたまま、じっと流れ出る水を見つめていた。
「…水…」
ぼそりと呟くとコップを握った。手の違和感でコップを持っていたことを思い出し水を注いだ。
一杯になり水道を止めた。
コップに注がれた水を見ると喉の渇きを覚えた。一気に飲み干そうとコップに口を付けた。
しかし、水が口の中へ入った瞬間、水とは違う味がした。
「っ!? ぶはっ!」
予想外のことに思わず水を吐き出した。少しむせた。
「うげっ、なん…っ!? う、うわぁっ!!」
水がいつの間にか赤い液体に変わっていた。飲んだ時には鉄の味が混ざっていた。
翔は思わずコップを流しへ投げつけていた。
コップが割れ流しに赤い液体が飛び散ると思った。
最初のコメントを投稿しよう!