俺って主人公だよね?

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天上界に行く為に 事務所の奥にあるエレベーターに乗った。 このエレベーターは天上界に直通で、 月一の報告の為に作られた。 まぁもっぱら従業員が趣味の為に使ってるけど。 メロンパンとか キャバクラとか・・・ 「今日は何食べようかなぁ~」 「ボーズ。 俺は母ちゃんと約束が・・・」 「じゃあ女神様も呼びましょう」 見回りはいつから居たのか、 鞄から携帯を出して 電話しはじめた。 「・・・はい、はい。 わかりました。じゃあ先にお店で待っていますね」 「母ちゃんなんだって?」 貧乏神がガクブルしながら見回りに聞いた。 どうやらまた喧嘩をしたらしい。 最後に会った時に 女神様はご立腹だった様だ。 「大丈夫でしたよ? 今、買い物の最中だったみたいで ご機嫌でした」 「なんてこった・・・」 「どうしたオッサン。 そんなに暗い顔して・・・ 痴漢と間違われるぞ?」 「あいつ・・・ きっとブランド物のバックやらなんやら買ったに違いない・・・」 貧乏神はどよんとした空気をまとわせて、 俺に近寄ってきた。 うっすら涙を浮かべている。 「ま、まあ落ち着け。 なんだってそんなに怒らせたんだよ?」 「この間貧乏神協会の連中の集まりで タイムのおすすめの店に行ったんだよ・・・ その店の子から営業の電話があってな」 「あー・・・ まぁ怒るだろうなぁ」 「そうなんだよ!! あいつ最近人間界のブランドに興味もつ様になってなぁ・・・ 支払いはきっと俺なんだ・・・」 貧乏神を慰めるのも面倒で、 俺達はさっさと店に向かった。 どうやら今日は焼き肉にするらしい。 牛のリアルな看板がかかっている店に 皆で入っていった。
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