俺って主人公だよね?

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「ここで良いんだよなぁ・・・ なんか今にも潰れそうだな」 見上げた先にはシマに1人客がいれば良い様な ショボい店だ。 パチンコやスロットを打っている客もどことなく 辛気臭い。 多分この雰囲気を出してるのは店のレイアウトが悪いからだな・・・ 釘も良くないし、 スロットも設定はそのままか・・・ 俺が店の中を歩いていると、 店員と目が合ったが 当たり前の様にシカトされた。 接客は下の下だ。 なんとなく誰かに呼ばれた気がして、 青ドンに座る。 ゙あなたが太郎さんですね!? 待ってました!゙ 「おわっ!!」 いきなり声をかけられて ケツ浮きする俺、 それをシカトする店員。 いや、少しは反応しろよ。 逆に恥ずかしいよ。 「依頼してきたのあんたか? ったく、急に出てくるなよな・・・・ 周りにあんたは見えてない。 とにかく、外に行こうぜ」 ゙わかりました!! 斉藤さーん! 休憩いってきまーず 妖精が隣の台に声をかけると、 隣からわかったと返事があった。 ちょっと笑える風景だ。 てか、斉藤さんって。 取り敢えず、外で話をしても俺が変態を見る様な目で見られるのは確実なので 車の中で話をする事にした。 ゙自己紹介がまだでしたね。 私は佐藤と言いまず 「佐藤さんね・・・ で、恋愛の悩み事だって? どうしたの?」 ゙実は・・・・ この店の店長さんを好きになってしまいまして・・・゙ 「はぁ?」 俺が驚いてペンを落とすと、 佐藤は気を悪くした様だ。 腕を組んで頭から煙を出し始めた。 ゙その事についてはどうこう言いません! それに恋愛は自由でしょう? 私は別の事で相談したいんでず 「別の事?」 ゙はい・・・ 実は今店は赤字続きで、 このままだと 店を潰さないといけないんでず 「そりゃああんなんじゃなぁ・・・」 ゙店長さんはずっと頭を抱えています・・・ 太郎さんから何かお力添えして頂けないでしょうか? あの店は店長さんがお父さんから受け継いだ 大事な店なんでず そう言うと 妖精は手で顔を覆ってわんわん泣き出した。
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