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俺は皮張りのソファーに腰かけると
まず店長に話を聞いた。
ひょろっとしていて、
顔立ちも優しく人当たりも良さそうだ。
だけど少し頼り無い印象を受ける。
「実は、売り上げがさっぱりなんですよ・・・
お金が無いから新台を入れる事もできないし・・・
僕はこの通り、気が弱いので店員の教育もきちんとできなくて」
「まぁお金が無いとね・・・
ここは個人ですよね?
台はもちろん、
レイアウトやイベントも大事です。
まずは出る店だとお客に印象づけないと・・・
このままではちょっとね」
「ですよね・・・
僕は昔からこうなんです・・・
何をやってもまともに出来ない、
他界した親父にも申し訳なくて・・・」
「まあまあ。
取り敢えず、彼女・・・
佐藤さんをしばらくお借りします。
色々と考えて、なるべくお金がかからない様にしますので。
では、また後日」
「はい・・・
お手数おかけします・・・」
佐藤の襟首らしき所を掴んで、
車に戻った。
佐藤は手足をブラブラさせて遊んでる。
「バカか!
なあに遊んでるんだよ!!
お前なぁ、あの店繁盛させるの大変だぞ?
金どうすんだよ!!」
゙お金だったらあります!!
私は初めてパチンコが出来てから、
ずっと働いてますのでお金は貯まってます!!゙
「ったく・・・
億の世界だぞ?
バカかお前は!」
゙あります!!
何億必要なんですか?
五億あれば足りますか?゙
「・・・持ってんの?
マヂで?本気で言ってんの?」
゙依頼料もきちんとお支払します!
お願いですから、
店長さんを助けて下さい!゙
「なんだぁ~
持ってんのかぁ~
先に言ってよぅ」
気分のよくなった俺は、
助手席に佐藤を乗せて(シートベルト着用)事務所に戻った。
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