俺って主人公だよね?

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時間をかけて何店舗か回って、 ようやく佐藤は自分の店のダメさがわかった様だ。 すっかりショボくれて、 帰りの車の中で俺と貧乏神で慰めた。 「元気出せよ。 これから新しく、 良い店にするんだろ?」 「ボーズの言う通りだ。 な? 元気だせ! お前の仕事もきっと増えるぞ?」 ゙私は・・・ 今まであの店で働けるのがとても嬉しかったんです。 多少店の売り上げは悪いけど、 今までいた様な店と違って店長さんは優しいし、 店員さん同士もとても仲が良かったので・・・゙ 「・・・よく言えばアットホームだけどな。 でもあれじゃあ新規の客は呼べないな」 俺が言うと 佐藤はますますションボリして、 撫で肩を落とした。 ゙そうなんですよね・・・ あれじゃあ・・・ それにあれはやる気が無かっただけですね゙ 「・・・」 「・・・」 俺と貧乏神は慰める言葉が見つからず、 佐藤を店まで送って行った。 帰り道、 俺と貧乏神は一言も会話もせずに帰路に着いた。 事務所に戻ると 皆仕事を片付けて帰ってきている。 今日は皆で飯を食うと話をしていたので、 その時に佐藤の話を持ち出す事にした。 「今日は天上界でご飯食べましょう♪」 「・・・面倒臭い」 「太郎さん。 約束は約束ですよ? 勿論ご飯の後はキャバクラに・・・」 「タイムさんはキャバクラばっかりだなぁ・・・ ご飯の後はメロンパン買いに行くに決まってるじゃないっすか!!」 いや・・・ 両方嫌だよ。 特にメロンパンは。 そんなこんなで俺はラッキーガールに 半ば無理矢理天上界に連れて行かれた。
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