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「浅水颯希!ぜったい好きって言わせてやる~!!」
そんな叫び声が聞こえてきた。
「ねぇ、蓮華、楽しい?」
少しその場にいると違う声が聞こえてくる。
「くぅちゃん!聞いてたでしょ!?あいつ、ムカつくー!」
なんかムカつかれてるし。
「だってねぇ、あんたの告白…愛が籠ってないわ。もっとこう、感情を込めて、ね?」
「え~?感情籠ってなかった?ってか、告白なんて初めてだし、感情とか言われてもわからん!」
ハァ~……
ため息をつき、俺は歩き出す。
正直、なんとも思ってないことくらいわかってた。
んなの聞いたら地味にヘコむ。
少しだけ、嬉しかったんだけどなぁ…
駿河は知らないみたいだけどさ、俺は1年の時から知ってるんだよ…
入学式の日、新入生代表で檀上に立った時から…
俺だけじゃない。
全学年の半分以上の男を虜にしたであろう、可愛すぎる女の子。
俺もそんな中の1人。
けど、ガードが堅いのかなんなのか、男と話しているところを見たことがなかった。
だからだろうか、あまり騒がれていることもなく駿河の周りは静かなもの。
少し、肩を落としたまま駅へと入った。
電車…1本逃したか…
次は20分後。
まぁ、少し遅れてもいっか。
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