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それからまた秋がきて、僕は十五歳になった。道は枯れ葉で埋もれており、踏めば乾いた音を立て力なく崩れ落ちる。週末の空にはほとんど雲はなく、日は高く昇っている。その周りにはペンキで塗りたくったような青が広がっていた。
その日僕は図書館に向かっていた。もちろん勉強をするためだ。早いところではそろそろ入試が始まる。周りの生徒は一層忙しく動き回り、僕はその中で呆然と立ち尽くしていた。いつまでもこうしていてはいけない。衝動的にそう思った。
僕の志望校では十二月に入試が始まる。本来なら今更勉強したところで意味がないのだが、僕の場合はもともと勉強自体必要ないのだから関係なかった。
図書館に来るのは数年ぶりだった。加えて自習室となれば入るのは初めてのことだ。受付には初老の男性が立っていて、僕はそこで簡単な手続きをした。
自習室は新旧の二種類あり、新しい方には机ごとに仕切りと電気スタンドがあり参考書も揃っているが、もう一方は四人掛けの机が並んでいるだけらしい。ぼくは迷わず後者を選んだ。新しい方は混んでいる上に、僕にはそんなに大それた設備は必要ないからだ。
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