一点の黒

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あれから一週間。 学校は普通に来ている。 今日は終業式。 明日からは夏休み。 独りになるのが怖い…。 不意に携帯が震えた。 取り出すと新着メールが一件。 『今日の放課後、教室で。 逃げたら写メ、回すからね?』 教室の前の方で女たちが笑っていた。 クスクスと…。 「………」 決めたんでしょう? 汚れるって…。 決めたんでしょう? …そう決めた。 お前等を食い尽くす程に闇に沈んでやる。 私に住む闇を起こしたのは貴女たちだから…。 「ふふ…」 幸希は優し気に微笑んだ。 まるで天使のように…。 悪魔は天使よりも天使らしく笑う。 きっと真っ白だったからこそ真っ黒になれる。 真っ黒に染まったのは私。 「お前等気をつけて帰れよ」 教師の言葉に笑いながら返す大人にも子供にもなれない人間たち…。 キラキラと輝いていた。 …もう私は戻れない。 否、人間にはなれない。 ステタカラ。 「へぇ~、逃げずに待ってたんだ?」 クスクス。 クスクス…。 取り巻きたちが笑う。 「で?私は誰と寝れば良いの梓?」  
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