【幼き日の砂嵐】

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母を恨む事よりも、 寂しさに満ちた大嫌いな夜達。   夜中、目覚めた時に、   泣いて目覚めた時に、   そばに居て、   私を抱き寄せて、   『愛美どうしたの?』って。   『お母さんはここにおるよ』って。   『だから大丈夫。』って ... 言って欲しかっただけ。   ただそれだけで良かったんです。   お酒とマイクとタバコの混ざった、忘れる事の出来ないあの嫌なニオイのするお母さん。   起きて待ってたら、 『寂しかったなぁ、ごめんなぁ…』 とあのニオイで抱きしめる、でも繰り返される同じ事。同じ夜。   そして、朝起きると   母は大体いつも眠っている。   気を使って起こせないので、そこら辺の物を食べて遊ぶ。   そして夜になる、   母が羽ばたこうとしている。   化粧のニオイと同時に、 孤独と言う恐怖感が私を襲いだす。   そして私を一人にする。    蝶々。 母とダブるのが蝶々。   綺麗なイメージで使われる事が多いけれど...   私は大嫌いです。
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