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「ほんじゃいくよ~!」
京は先程優に教わった言葉を言う。
「こっくりさんこっくりさん、東の窓よりおいでください。」
すると涼しい風が教室内を通り過ぎ、10円玉が“はい”の所までゆっくり動いた。
そしてすぐ、神社まで戻った。全員は指を離し、驚いた表情で顔を見合わせる。
「え、今のって…誰かが動かしたわけじゃないよね…??」
「動かしてねーよ…。だって10円玉が指より先に動いてるのわかるし…。」
「ほ、ほう…。」
巧は教室内を見渡してみるが、何も見えない。
全員が胸を高ぶらせ、もう一度指を乗せる。
「な、なんか聞こうよー。」
「じゃぁ詩織が聞くー。」
詩織は一息置いて、小さな声で言った。
「詩織はこの先どうなりますか!」
「なにその質問…あ、動いた!」
10円玉はゆっくり動く。動いた先の平仮名は
お
ち
る
この3つのだった。そして神社へ戻る。
「…落ちる?」
「えー詩織何に落ちるのー!?」
詩織が心配そうに皆に聞くが、「試験にでも落ちるんじゃん?」と笑い流された。
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