決意

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10円玉が“いいえ”をさし続けて約5分。今だにぐるぐると回っている。 怖くなった京達は、急いで下駄箱まで走った。 「巧!靴履けたなら速くそのドア開けてよ!」 だが巧は何度も鍵を確認してドアを押している。そして横にある違うドアも押してみている。 「あ…かない…。」 「は?何言ってんだよ!開かねぇわけないだろ!」 文句を言いながら直斗も扉を押す。そして顔を強張らせ、靴を脱いでそれを思いきりドアのガラス部分目掛けて投げた。 「おらああぁっ!」 「直斗!公共の物を壊さないでっ…?」 「なんで…割れないの?」 普通だったらすぐに割れてしまうはずの薄いガラスが、なぜか割れない。
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