36人が本棚に入れています
本棚に追加
10円玉が“いいえ”をさし続けて約5分。今だにぐるぐると回っている。
怖くなった京達は、急いで下駄箱まで走った。
「巧!靴履けたなら速くそのドア開けてよ!」
だが巧は何度も鍵を確認してドアを押している。そして横にある違うドアも押してみている。
「あ…かない…。」
「は?何言ってんだよ!開かねぇわけないだろ!」
文句を言いながら直斗も扉を押す。そして顔を強張らせ、靴を脱いでそれを思いきりドアのガラス部分目掛けて投げた。
「おらああぁっ!」
「直斗!公共の物を壊さないでっ…?」
「なんで…割れないの?」
普通だったらすぐに割れてしまうはずの薄いガラスが、なぜか割れない。
最初のコメントを投稿しよう!