狐狗狸

こっくりさん

すると巧が『なにか面白いことをしないか？』と言うので、全員で何をしようか考えだした。

「おいかけっこはー？」

「えー、詩織やだー。」

直斗が提案するがあっさり詩織に否定される。詩織は動かなくても面白い遊びがしたいらしい。

「んん～、トランプでも持ってくりゃーよかったですねぇ。」

優が腹を押さえながら下に置いてある鞄をあさり、呟いた。

そして上体を上げこちらを見ると、優のポケットから１０円玉が落ちた。

「あらあ、取って取ってー。」

１０円玉は転がり、京の元へたどり着いた。それを嬉しそうに拾い、『あっ！』と何かを思い付いたように叫んだ。

「京どした。」

直斗が不思議そうに質問すると、京は立ち上がる。