エピローグ

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友子が握る拳銃からは三発の弾丸が発射されており、二発は中水に、もう一発は天井のスプリンクラーに当たったようだった。 中水の持っていたであろう拳銃からは一発だけ発射されており、それが仲間友子の命を奪っている。 撃ち合いになり、崩れる友子の最後の一発が天井に撃ちこまれたのだろうと解釈された。 一番わかりやすい解釈である。 実際、どちらの拳銃からもそれぞれ友子と中水の指紋しか出てこなかった。 硝煙反応はスプリンクラーの放水により完全に流されており、どの角度で撃ったかも定められない。 だが、近藤は第一発見者である亜紀子の中水に対する殺意の深さを知っていた。 彼女の目的を達するための執着を知っているのだ。 そう考えていると亜紀子と視線が合い、彼女は何の屈託もない自然な笑みを浮かべた。 天使か悪魔か――――。 白い疑惑 ~彼と彼女の選択肢~・完
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