空想創造

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「ったく畜生、無駄に数ばっか飛ばしやがって」  しなやかに身体を逸らし、銃弾を避けていく。男は肩に掛けていた機関銃を抜き出すと、自分に向かって飛んでくるミサイル弾目掛けて引き金を引いた。とても現実とは思えない男の反射神経、空中で爆発するミサイル弾、連なって周囲の銃弾も爆発を起こす。すさまじい爆風が辺りを包む。男は大岩の影に、まるで何事も無かったかのごとく戻ってきた。 「あんなに数がいたんじゃ、こっちも収拾がつかねぇ」 「……あぁ。しょうがない、一体ずつ倒していくしか方法は――」  黒コートの男は二丁の拳銃に弾丸を込めながら、赤ジャケットの男を横目で見ることも無く、淡々と語った。 「まずは敵の制御戦闘機を落とす、見つけ出すのが容易では無いと思うが」 「分かった、奴等の親玉をぶっ飛ばせばいいんだろ。なら、片っ端から落としていけば――」 「無理だ。この中を片っ端から落とすなんて、しっかりと制御戦闘機がどれだか見極めてからが妥当だろう」  この会話の間にも、烈火のごとく降り注ぐ銃弾を受けていた二人が身を潜めている大岩は、すでに崩れ落ちる寸前となっていた。
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