1441人が本棚に入れています
本棚に追加
白髭執事に連れられて、見知らぬ場所をただ歩いた。
赤い絨毯に高い天井そして長い廊下。
どこかの金持ちの屋敷だろう、俺には無縁の場所だな。
「こちらでございます」
そう言って執事は一際派手な扉を開けた。
「どうぞ、お入り下さい」
執事ってのはやっぱりこういう堅い口上なのか…と思いつつも、右も左も解らぬこの屋敷内では従う他ない…。
扉を潜ると、これまた派手というか豪華というか…とにかくアニメとかで見る金持ちみたいな部屋が広がっていた。
ホントに金持ちなんだな…
部屋の奥の方に童話に出てくる王様が座る椅子みたいな、これまた豪華な代物があった。
そして、そこに腰掛けている人物がいた。
どこぞの国の王様!とかいう現実離れした展開はない、ないのだが…
そこには一人の女の子が座っていた。
歳は多分同い年くらいの可愛い女の子が…。
「待っていたぞ、悠迩。さぁ、式を挙げよう」
……は?
最初のコメントを投稿しよう!