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全く。反省文というものは本気で書きずらい。
反省をすると言っても今回の場合、不慮の事故というやつだ。
別に俺は悪くないし、認めたくはないが、恵だって悪くない。
反省をしていないのに、反省文を原稿用紙二枚に書けと言われても無理な話だ。
仕方がないので、俺は綺麗に整っている幼馴染みの顔をしげしげと眺めた。
いつからだろう。こいつと一緒にいるのは。
物心つく前から、俺はこいつと一緒に居たような気がする。
恵は気付いていないだろうが、小学校の頃は結構モテていて、よく俺がリンチされたもんだ。
「幼馴染みだからっていい気になんなよ」
別になってねぇよ。
ったく。空手なんてもんやってなかったらもっとモテるのに。
と言っても、こいつから空手をとったらただのヤンキーか。
「……なにさ。じろじろ人の顔見てくんな気持ちわるい。」
おっと。一つ訂正。
この口の悪さもなんとかしてほしい。
「お前、もう少し女らしくできねぇのかよ。今日だって、誰かにチョコレートあげないわけ?」
ぴくりと、軽く恵の腕が止まる。
みるみるうちに、顔がタコのように赤くなった。
「……あ。お前もしかしてさぁ、今日、誰かにチョコレートあげんの?」
あーあ。顔から煙でてらぁ。
「ふーん。女らしい一面もあるんだな。で?俺の分わ?」
冗談のつもりで聞いてみた。
俺、チョコ嫌いだし。
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