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「チョ、チョコレートはお前には用意していない!」 …………ん? 待て待て。 「チョコレート……『は』……?」 じゃあ、他のはあるの?と聞く前に、恵の頭が爆発した。 「わわわわわわ悪かったなぁ!」 「いや、別に悪かねぇけどさ。ところで俺になにくれんの?」 内心、これほどないまで驚いていたのだが、平然を装って続けた。 「チョコの他ねぇ……お前の手作り?」 ふるふると首を横にふる恵。 「えー?買ったの?じゃあ……花束!……は無理か。じゃあ、クッキー?」 「……食べ物じゃない」 「えー?……あー!降参!マジでなに?」 赤い顔で暫く悩んだ後、恵は命令口調で口を開いた。 「目を閉じて手を出せ」 「ん?」 取り合えず従ってみると、なにか変な感覚がある。 「いいよ」 うっすらと目を開くと、指には違和感のある物体が。
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