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「…………指輪っスか?」
「…………指輪っスよ」
「…………普通、男子が女子にあげるもんじゃねぇの?」
「いいんです」
「そうっスか」
「そうっスよ」
指輪って事は、恵は俺のことが好きなんだよな?
好きな子ほどいじめるって奴だろう。
あぁ、『良かった』。
「俺チョコの方が欲しかった」
「アンタ甘いの嫌いでしょ」
超即答。少しは考えてくれよ。
ふと目線を机から離すと、ばちりと恵の視線にぶつかった。
「……」
「……」
どちらという事もなく笑いだす。
勿論、二人とも顔はタコ以上に赤い。
「んー。でも俺、お前のは平気だよ」
なんだ。
俺も、恵も。どちらも素直じゃなかっただけじゃないか。
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