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俺の名前は赤垣 鳴(あかがき なる)。
身長171㎝、体重54㎏。顎ぐらいまで伸びた明るい茶髪(もちろん染めている)。
性格は……よくないだろう。
男子校『金沢学園』に通う高校2年生。余談だが金沢学園には同性愛者が多い。
俺には…、好きな奴がいる。
朝、目が覚めて学校に行く準備を始める。
金沢学園の生徒は寮で暮らすことになっている、順位で部屋が決まるという変わったシステム。
そして俺の同室の住民でまだベッドで呑気に眠ってる奴が、俺の想いを寄せている相手。
蒼井 鈴(あおい すず)、身長は俺と1㎝しか変わらない(俺の方がでかい)、体型もほぼ同じ、誕生日まで同じの明るい金髪の持ち主だ(こいつも染めている)。
鈴は頭が悪くて、泣き虫で、俺から見れば可愛くて仕方がない。
だからいじめたくなる。
そろそろ起こさないと朝飯抜きになるな。
鈴のベッドに近づき顔を覗き込む。
可愛い顔して無防備に寝てるな、昨日遅くまで漫画なんか読んでたから朝起きれないんだ。さて、どうやって起こしてやろうか…。
ふと、形のいい唇に魅せられる、起きないせいにしてキスして起こしてやろうか。
そんなことを考えながら顔を近づける。起きる気配のない目を閉じたままの鈴の顔を見つめながら自分の唇と鈴の唇がうまく重なるように顔を傾ける。
あと数㎝で唇が重なる…
しかし、俺は止めた。
こんなにも簡単に手に入りそうなのに、近くに居すぎて離れいくのが恐い。
だからこんなことは簡単にできない、俺は臆病者だから……。
鈴から離れ、冷蔵庫からよく冷やされたミネラルウォーターを取り出し、再び鈴のベッドに向かう。
布団をめくると寝相のせいで服が捲れ上がり、臍が丸み見え。
適度についた筋肉と綺麗な肌がまるで誘っているかのように見えるその腹に冷たいペットボトルを宛てる。
宛てた瞬間、ピクッと鈴の体が跳ねるがまだ起きない。
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