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「全然構わないよ。
朋也君に怪我がなければそれで。
それに逆に僕はうれしいしね。フフッ」
「貴彰さん…」
俺はついつい呆れてしまった。
「朋也!!」
ギクッッッ!!!
俺は背後から俺の名前を呼ぶ聞き覚えありありの冷たい声に全身を硬直させた。
「兄ちゃん…」
俺は抱き付いていた貴彰さんから急いで離れた。
「朋也、遅刻ぎりぎりにきたうえに公衆の前で何をしてるんだ?」
「………ッ」
「まぁまぁ、お兄さん。
朋也君をそんなに責めないでやってよ」
「貴彰、部外者のお前は黙ってろ。
これは家庭内の問題だ」
「あ~ぁ、怖い怖い。
眉間にしわが寄ってますよ。
お兄さん」
すると、貴彰さんが後ろから俺を抱き締めてきた。
「お兄さん、ブラコンもいい加減にしないと朋也君は恋愛なんて全然出来やしないよ。
可哀相に…
でも心配しなくても大丈夫だからね。
僕が朋也君を幸せにしてあげるから」
「人の事はほっといてもらおうか。
なぁ、朋也」
あ~もぅ
喧嘩しないでよ!
俺は2人の間で呆れていると
親友の亮太が歩いているのが見えた。
ラッキー☆
俺は2人から逃げるチャンスだと思い
貴彰さんの手を振り払い亮太のもとへ逃げようとしたら
いきなり兄ちゃんに腕を掴まれ耳元で囁かれた。
「今日は早く帰って来いよ。お仕置きだからな!ニヤリ」
すると兄ちゃんの手の力が緩められ
俺は今度こそ亮太のもとへ走りだした。
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