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拓斗は全力疾走で湖幸を追いかけました。
私も、すぐ後ろを追いかけたのですが、長い廊下だと言うのに、
目の前にいるのは拓斗だけで、湖幸の姿は見えませんでした。
拓斗「ちっ。あいつ鍵かけやがった。」
楓 「どうしよっ。」
拓斗は2、3歩下がってから、助走をつけて鍵のかかった家庭科室のドアを押し破りました。
中に入った瞬間に
ブスッ…と水のたくさん詰まったホースを切ったような、何かがはちきれるような、
嫌な音が聞こえてきて、目の前が赤く染まっていました。
家庭科室の中央に、湖幸の体が横たわっていて、準備室にしまったはずの鏡が、
割れて飛び散っていて、
その中の一番大きな破片が
湖幸の頭と体の間に垂直に刺さっていました。
後を追って走ってきた零羅・朔也・円は、何が起きたのか理解できずに
ただ呆然とその場に立ち尽くしてその光景を見下ろしていて
最初に我に返った零羅の悲鳴で、先生達がかけつけてきました。
あの時、湖幸の見たWEBサイトを私たちも確認していれば…
私が家庭科室に着く直前で帰ると言っていれば…
湖幸が走っていく前に私達で引き止められれば…
こんな事にはならなかったのに…。
あの日以来、私達5人はあまり集まらなくなりました。
集まると、何故なのか必ず誰か1人が、ふと気がつけばあの歌を歌いだしてしまうからです。
かごめかごめかごのなかのとりはいついつでやるよあけのばんにつるとかめがすべったうしろのしょうめんだあれ
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