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私は、走りながら7時から塾だったのを思い出したのですが、なんとなく名残惜しくて
言い出せずに一緒に家庭科室に入りました。この時、私が帰ると言えば、拓斗も帰ると言い出して、朔也もついてきて、私が零羅も誘って、結局皆で帰っていたんだと思います。
それなのに、名残惜しいと感じていた私はきっと、何かの予感があって帰る気になれなかったのかもしれません。
拓斗・朔也「鏡あった~!」
湖幸「ここ置いて~。」
楓 「あと7分くらいだけど間に合うかな?」
湖幸「大丈夫でしょっ!!」
肩をたたかれて振り向くと、拓斗が私に耳打ちしました。
『本当は気が進まないんだろ…俺、お前と帰っても良いんだぞ?』
『そしたら4人になっちゃうし結局解散になっちゃって湖幸が可哀相だもん』
『お前、多少は霊感あんだし無理すんなよ?』
拓斗は私の頭をぐしゃっと撫でてから、朔也のところへ行き2人で2枚の全身鏡を迎え合わせにセットし始めました。
湖幸「じゃんけんするよー!!!」
円 「なんで?」
湖幸「だって真ん中の人決めなきゃ。」
「じゃんけんぽん!」
楓 「え~!!」
円 「楓だっさ!6人いて一人負け?」
楓 「仕組んでない?」
零羅「そんな時間なかったじゃ~ん!」
朔也「そうだ。仕組んでないぞ!」
私たちは、位置につきました。私の前後には鏡があります。
どこまでも世界が広がっていて、蛍光灯の明かりさえも、奥のほうでは闇に包まれていました。とても不気味な光景でした。
湖幸「楓、目かくししなくて良いからね?ちゃんとうちらの未来見ててよ?」
楓 「は~い。。」
湖幸「行くよ!手繋いで~!」
円 「せま~。」
拓斗「お前ここな。」
朔也「え、っちょ…」
零羅「どうしたの?朔也。」
円 「10秒前!」
零羅「手繋ごっ。」
朔也「あ、うん。」
湖幸「せーのっ!」
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