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初めから分かっていたのだ、私の想いなんて永遠に伝わらないんだって。
「みるく知ってた?」
「何を?」
私はお気に入りの檸檬ソーダをゆっくりとストローで飲み干して、目の前の千尋は好きなチーズケーキを食べていて、その顔は至極幸せそうだった。
「佐伯くん…彼女出来たみたいだよ?この前歩いてるの見たんだ。」
「そう……なんだ…彼女…いたんだ……。」
喫茶店の窓に写った私は泣きそうな顔で、何も考えられないくらいに目の前が暗くなった……そして。
グラスの氷がカラン…と鳴った。
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