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「はははっチョロい!チョロすぎる!!チョロすぎて笑いが止まらんっ」
肺の中にためた空気を一気に吐き出さんとばかりに声を張り上げる。電線にとまるカラスが5羽飛んだ。
「頼りになるもならないも、この明奈様以外にあの仕事を10分で終わらせることのできる人間がいるわけ無いじゃない!“頼りになる”“ありがとう”“凄い”…そう!“凄い”!あぁっゾクゾクするわ!!」
明奈は己の体を抱き締めるようにすると、言葉通り体をゾクゾクッと震わせた。赤く恍惚とした明奈のこの表情を誰が想像できようか。学校で大和撫子と呼ばれる彼女はそこにいない。
いるのは自尊心の塊である。
「今回の結果は2位との差を10点以上にしたし、完璧。睡眠時間を2時間削って正解だったわぁ」
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