完璧Lifeはあっさりと

12/16
前へ
/23ページ
次へ
微笑みながらも明奈は内心焦っていた。 バレた。バレたのだ。この16年間誰にもバレてこなかった自分の本性がバレてしまったのだ。 「…………あ」 「?」 バレてしまった、赤の他人に。 名前も知らない赤の他人にバレた所で困ることはない。 その思考で明奈は微笑むのをやめて立ち上がり、下げずむような目で男を指差した。 「どうかしましたか?」 「誤魔化さなくたって構わないじゃない」 こうも態度をころころと変える明奈に、男は感嘆の息を吐いた。これもイヤミではない。純粋な感心だ。 「いいことお兄さん。さっき聞いたことは忘れなさい」 「はぁ…」 「よろしく」  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加