第三章

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しばらくして煙が晴れると二つの人影が見えた。 「二人とも耐えきったのかよ。あれを」 レイルは思わず呟く。 一人の人影がふらふらとしながらカレンのほうへと近づく。 「ぼ……僕の負けです」 そう言い放つとカレンの足元で倒れた。 「ヘイト大丈夫? 誰かヘイトを医務室まで運んであげて」 どうやら人影の正体はヘイトだったようだ。 ヘイトの取り巻きたちが倒れたヘイトを運んでいく。 (ライトが勝ちやがった。) レイルは口には出さないが信じられないといった感じだった。 「じゃ今の試合はライトの勝……」 カレンがライトの勝利宣言をしようとした瞬間! ライトもまたヘイト同様、倒れてしまった。 「ちょっと!ライト大丈夫? レイルっ! ライトを医務室まで運んであげて」 「あっ……わ、分かった」 「二人とも試合を続けることが出来ないので今の試合は引き分けにします」 生徒達はすでにいない二人の健闘をたたえた。
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