第三章

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医務室 一人の男が目を覚ました。 「どうやら僕は負けてしまったみたいだね」 悲しそうにそう呟くと、 「そうでもないみたいだぜ。ヘイト!」 隣のベッドのほうから声が聞こえた。 「君はレイル!何故ここに?」 「ほらこれを見れば、すぐ状況が分かるだろう。」 ヘイトの寝ているベッドと、隣のベッドを仕切っていたカーテンを開けた。 そこには、綺麗な顔だちをした赤い髪の少年が眠っていた。 「そんな……彼は確か僕に勝ったはずじゃ」 「お前が倒れたあとこいつも倒れたんだよ。 だからお前達の試合は引き分けってわけ」 「そうだったのか。それにしても、彼は強かった素直に認めるよ」 「言う人を間違えてんじゃね」 「確かにそうだね」 二人は軽く微笑むとベッドに寝ている少年をもう一度見た。
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