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「大地……。
大地!寝てるの?」
俺は母親の声で目が覚めた。
あまり働いていない脳をなんとか動かして答える。
「うっ、うん。
なにか用?」
「紗季ちゃんが来てるわよ」
俺の脳は一気にギアチェンジした。
「えっ!
あっ、わかった。
すぐに行く!」
急いで下に降りて行くと玄関に紗季が下を向いて立っている。
俺は「ちょっと外に出よう」と言って紗季と公園に向かう。
公園まで二人とも話をせず歩く。
そして、公園のベンチに座る。
するとすぐに紗季が携帯を渡してくる。
俺は不思議に思いながらその携帯を受け取る。
「なに?」
「携帯を開いてみて」
俺は言われたように携帯を開く。
その画面には映っていたのは俺の小説だった。
俺は紗季が何を言いたいのかわかった。
だから、紗季の言葉を待たずに自分から話し始める。
「見てくれたんだ」
紗季は下を向いたまま頷く。
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