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「あのさ、それに書いてあるのは本音だからな。でも、もういいんだ。
紗季は引っ越すんだよな。
あぁ残念。
紗季に自分の想いを伝えられたのにお別れなんてさ。
まぁ、しょうがないよな」
俺は何故だか涙が止まらなかった。
紗季が俺のほうを見ているのがわかり、紗季に背を向けて話す。
「本当のことを言うとさ、不安で不安でしょうがないんだ。
紗季がもう傍にいないと思うと頭が真っ白になるんだよね。
紗季と笑って過ごした時間やケンカした時間、学校で色々な話をするのに帰ってからものんとメールしたり、一緒にこの公園で時間を忘れて話したり……。
紗季と過ごした色々な時間がもう止まってしまう。
こんな日が来るとは思っていた。
紗季と離れなくてはいけなくなることなんてずっと前からわかっていた。
でもこんなに早く、急に来るなんて……」
俺は涙を止めようと必死だった。
今まで紗季に弱い自分を見せたくなかった。
だから、何があっても涙は見せないようにしようと決めていた。
しかし、最後の最後でそれをさらけ出してしまった。
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