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「なんだモバゲーをしてたのか」
「だから、変なやつじゃないって言っただろ」
紗季は宝くじが外れたような感じで携帯を見ていたが、最後の一枚に3000円が当たったような驚きでこちらをみる。
「へぇ、小説を書いてるんだ。ちゃんと書けてるの?」
俺は「う、うん」と少し恥ずかしそうに答える。
紗季は携帯の画面に視線を戻す。
そして、俺をみて真面目な顔で言う。
「ねぇ、私のために小説を書いてよ」
頭上にはてなマークが浮かぶ。
「……はっ?」
「お願いね」
頭上にびっくりマークが浮かぶ。
「……えっ!」
半ば強制的に決められた。
紗季に頼まれたら断れない。
俺は「じゃあ書いたら教えるよ」と仕方なく答える。
すると、紗季は笑顔で俺の方をみるなり席に戻る。
あの笑顔はずるい……。
そんなことを思っていると授業の始まりのチャイムがなる。
僕は国語の教科書とノートを出す。
授業が始まり先生が黒板に文字を書いてる中、俺はノートとにらめっこをしていた。
授業よりも紗季に頼まれた小説の内容を考えていたからだ。
さて、何を書こう……。
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