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そうして出会って好きになってしまった彼だけど。
彼、つまり宏樹は。
彼氏がいるのに誰かを好きになるなんて信じれないけど私はそうだった。
そんな自分にショックを受けながら逃げる事は出来ずにただ、たたずんでいた気がする。
｢黙っててっ…ひっっく…ごめんね。｣
｢もう何でこうぉえっ……なんでこんな事に…ひっ!く｣
話をするとまた込み上げてくる吐き気と痛み。
ｼｵﾘと向かい合って話す内に私は苦しかったものを吐き捨てるかの様に泣いた。
あまりにも泣くから過呼吸になりながらも必死に訴えた。
どうして。
この時にみこと君から電話したのか。やっぱり彼には頼っていたのか、解らないけど。
ﾋｰﾋｰ言いながら電話してきた私にみこと君は驚いて戸惑ってた気がする。
申し訳ないくらい、落ち着いて聞いてくれたの。
｢何言ってるか、わからないからまず落ち着いて？｣
｢ごめんっ…うぅっ!!｣
｢どうした??｣
｢浮気したんだ。ごめんなさい。｣
｢……ぅーん。｣
｢それで、どうしたいんだ？｣
｢…ごめんなさいっ。｣
謝りながらも宏樹とは連絡とらずに、もうしないと話したね。
｢大丈夫、わかったよ。
信じるね。｣
｢ありがとう…でも混乱してわからないの。好きとか、だから明日また連絡します。｣
｢本当にごめんなさい。｣
そう言って切った電話は心臓の音しか聞こえなくて。もう何が合ったかのさえ覚えていないけど。
曖昧な記憶の中で思い出せる事は二つ。
一つは皆が泣いたこと。
みこと君はわからない。
だけど仕事中に別れる事を考えたら吐いてしまったんだって。
それって泣くより苦しい時間だったと思うし傷つけてしまったの。
宏樹も泣いたと、みこと君から聞いたわ。私の知らない所でみこと君は宏樹と接触して話し合ったんだって。怖い思いをさせてしまって、心からごめんなさい…。
もう一つは恋するって事の責任でした。
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