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「そんな…ここまで来て…」
がっくりと肩を落とす御手洗。だが、
「あっ!この本と一緒に、何が埋まっていたか知らなくて良いんですか?」
すがる思いで鬼頭に問う。
だが、鬼頭は
「あぁ。どうでも良い。」
「えぇ!でも、さっきは…」
「良く考えたら、知った所でワシには関係無いし、何も出来ん。だから、知らなくても良い。」
あっさりと言い切る。
“目の前に…歴史を覆す証拠があるのに…ですが、あまり突っ込み過ぎては殺されて終わりです。…仕方…ありませんね。最後の手段です!これで駄目なら…”
「さぁ、帰れ。」
「…分かりました。では、これも持って帰ります。」
御手洗は、手に持っていた袋を鬼頭に見せながら言う。
「…なんじゃ?その袋は?」
「お話を伺うのに、手ぶらではと、思いまして。お茶受けにどうかと。」
「だから、それはなんじゃと聞いておる!」
鬼頭の目が、飢えた獣の目に変る。
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